イギリスビザ(Tier5)取得の記録June/2017

イギリス、ロンドン中心部にあるUniversity College Londonに客員研究員として留学して早4カ月を経過しようとしている。留学生活も落ち着いてきたこのタイミングで渡英に際して一番の労力を労したイギリスビザ取得について自分の経験からわかる範囲で書き残そうと思う。そもそもイギリスビザに関する情報は公式ホームページを読んですらわからないことがあまりに多く、また毎年のように情報が更新されるため、初見で自力での申請にはかなり戸惑う。しかしながら、ネットには多くの申請者が自身の経験をブログで書き残し、情報共有をしており、私も大いに助けられた。そこで私も自身の経験を共有することで、これから申請する人たちの一助となれたらと思う。

 

まず軽く私の渡英計画を説明したい。私は東工大修士課程1年を修了した段階で1年間休学し、トビタテ留学JAPANによる奨学金を元手に4月からの1月までの7カ月間を客員研究員としてロンドンのUCLの研究室に留学を計画していた。イギリスのでは、原則研究活動が目的の場合6カ月以上で事前のビザ申請が必要となる。そこでビザ申請が必要となった。

 

ここで最初に注意しておくべきだった点は自分の身分とビザカテゴリーの妥当性と申請期間だと思う。まず私は日本では修士の学生であったが、UCLでの受入が研究員ということで身分が大学スタッフとなるため、学生ビザ(Tier4)が使えず、きれいにマッチするカテゴリがよくわからなかった。それに加え、トビタテの合否が出たのが2月中旬で渡英まで1カ月半ということでかなり焦ることとなった。

 

そこでUCLの担当者とも話し合った結果、Academic Visitorビザという大学職員用のビザで申請することとなった。これが結果的に失敗であり、申請は間に合ったものの却下されることになる。以下に申請に提出した書類と申請の流れを参考までに書いている。

UCLからのInvitation Letter

給料証明としてトビタテの奨学金の証明書

資金証明として郵貯の残高証明、出入金証明書

東工大の在籍証明書

パスポート

ビザ申請フォーム(オンライン入力)

住民票

これらの書類は当然すべて英語のものが必要になる。私は出入金記録と住民票がどうしても日本語のもののみしか入手できなかったため、英語翻訳を業者にお願いした。(オンラインでpdfを送信すると翻訳してもらえる会社がある。)またすべての書類が有効期限が1カ月となっており、これがかなり厳しい。UCLからの招待状がいつ届くかわからないなかで役所での発行やその後の英語翻訳などで時間がとられるため、準備時間がとても限られている。ビザ申請フォームはイギリスビザのimmigrationのページから行けるオンラインフォームで入力したものを印刷したものである。ここで自分の身元や渡英目的などを詳細に記入することになる。項目が多く、1時間以上かかった。資金証明には最低でも90日間以上だいたい日本円で15万円以上の資金が口座にあることを証明する必要がある。申請費はビザ申請に約3万円、優先サービスに約2万円をオンラインフォーム記入後にカードで支払った。(結構勇気がいる)

2月中旬 ビザ申請の情報収集、準備開始

3月初旬 UCLにInvitation Letterを要求、他の書類を集め始める

3月中旬 Invitation Letterが届き、オンラインフォーム記入、申請センターを予約

3/20 申請センターにて申請手続き

3/25 パスポートが返却

ビザの申請には新橋にある申請センターに行った。午前9時の予約としたところ、すいていたこともありすぐに窓口に。20分程度で終わった。基本的に窓口の人は書類の有無の確認しかなく、アドバイス等は一切ない。またホームページには写真が必要となっているが、変更されておりその場で写真と指紋を取られるため、事前に持っていく必要はない。センター内は思っていたより、厳しい場所ではないようで、普通にスマホが使えたりと少し拍子抜けした。それから2017年3月の改定により、申請書類は区分通りに仕分けする必要ができた。(これは窓口に人が見てくれる。)私は時間がなかったこともあり、priority service を使ったこともあり、5日間で帰ってきた。申請中は申請が始まったや申請が終わった、申請センターに帰ってきたなどがメールで来るが、合否は帰ってきたパスポートを見るまで分からない。

 

結果的にこのときの申請は却下だった。申請センターで封筒を開けて中を見たとき、却下の紙を見たときは目の前が暗くなった。理由としては一番がAcademic visitorは大学で給与をもらっている大学教員のためのもので日本で学生している場合は認められないとのことだった。(受け入れ先が承認していて、資金の証明もあるならいいのではと思ったが)

 

というわけで留学予定を後ろにずらし、再度ビザ申請を行うこととした。ビザの再申請は審査が厳しくなるとの噂があったため、次は申請カテゴリーを変え、念入りに準備することに。次に選んだカテゴリーは短期の就労ビザであるTier5とした。日本ではまだ学生だったため、まさか就労ビザが当てはまるとは思わなかった。

Certificate of Sponsorship(CoS)

奨学金の証明

郵貯の残高証明書、入出金証明書

住民票

パスポート

ビザ申請フォーム

ビザ申請時における必要書類は概ねAcademic Visitorと大差ない。申請費はAcademic Visitorと同様だが、今回はIHSという健康保険に加入する必要があり、これに約2万円かかった。(オンラインフォーム記入時には誤記入があったのか0円となっており、後日申請中に支払ってくださいとメールが来た)Tierシリーズはポイント制のようだが、CoSが30点、資金証明が10点で必要ポイントは満たすようになっている。しかしひとつだけ異なるCoSという書類が厄介である。これは受入大学から発行されるものであり、正確には書類ではな番号である。この番号はイギリスの大学に正式に登録された証として発行されるもので、大学がビザ申請の際、身元保証をするというほど効力が強いらしい。そのため、CoSの申請はビザ申請よりしんどく、逆にCoSさえあればビザ申請は簡単というくらいであった。CoSの申請に使った書類は以下に示す。

CV(自作)

研究計画書(ほぼ受入先担当教員が書いてくれた)

大学在籍証明書

学位証明書

奨学金の証明書

CoSの申請フォーム

大学の学部、修士の成績証明書

CoSの申請には受入大学の担当者にかなり手助けしてもらい、書類を作製した。大学ホームページには発行までに最短3週間と書いていたが、自分の場合1カ月かかった。ビザの申請に必須なのは番号なため、発行された書類は原本を郵送してもらう必要はなく、申請にはメールでもらったpdfを印刷して申請に使った。

4月初旬 CoSの書類の作成、準備

4月中旬 CoS申請、ビザ申請書類の準備

5月中旬 CoS発行

5/17 ビザ申請

6/1 ビザ受領

6/6 渡英

ということで再度申請し、無事ビザがおりた。未だに良くわからない点は一回目の申請で審査はマニラで行われており、5日間で帰ってきたが、再申請時はイギリスのシェフィールドに送られており、審査に2週間以上かかった。やはり再申請は厳しくみられるのだろうか。Tier5での申請時ではとにかくCoSの発行が一番の難関となる。発行時期もまったく読めず、最後は準備がばたばたした。

 

返却されたパスポートには丸々1ページ使ってビザが張られているが、期限はビザ発行の1カ月後となっており、正式なビザは渡英後にイギリス国内の郵便局でカードを貰う必要がある。

 

長々と書いたが、私が一度ビザ申請に失敗した最大の原因は情報不足と時間不足であったと思う。これから準備する人には出来るだけ余裕をもって準備をしてもらいたい。これの記録が少しでも助けになれると嬉しいです。